肺がんじゃなかったブログ

40代で肺に腫瘍が見つかった男性の日記です。

発覚のきっかけは血痰でした。

2019年10月20日

入浴中に突然の血痰

それは、いつもと何も変わらない日常の中で突然やってきました。

自宅で妻と夕食を終え、その後は自室で少しパソコンをいじり、風呂へ。

特に風邪など引いたりもしていませんし、健康上も全く問題ない状態です。

いつものように体を洗い、湯船に首まで浸かったところ、突然何やら胸に違和感が生じます。違和感といっても、そんなにヤバイ感じではなく、あれ?ちょっと苦しいかも、くらいな感じです。続いて痰がせり上がってくるような感触があり、口の中に血の味を感じました。

で、湯船に半身浸かったまま、洗い場の方に顔を出して吐き出してみたところ、痰にほんの少し赤いものが混じっているのが見えます。

マジか、なんだこれ。

と思いつつ、まだ痰が残っている感覚があったので、もう一度出してみますと、今度は痰の中に、先ほどより濃い色の赤が一筋。

今までこんな経験は一度もなかったので、さすがに焦ります。

とっさに、鼻血は出ていないか?口の中が切れていないか?歯茎が出血したりしていないか?なども考え、チェックしてみますが、それらはどこも異常は見られません。

先ほどの胸の違和感から考えると、やはり鼻や口ではなく、もっと深いところからの血痰であることは間違いなさそうです。

その後もおそるおそる、無理に痰を出そうと試みてみますが、血痰は出ず。湯船での違和感時のみでした。

 

ネット検索でビビる

繰り返しになりますが、血痰というものが出たのは、僕の人生で初の出来事です。

口の中からの出血や鼻血などはありますが、今回のようなケースはこれまで未体験でした。

ですので風呂を上がってすぐ、まず嫁に報告。嫁もその時点でかなり心配そう。

続いて居ても立ってもいられず、ネットで血痰について調べます。

そうしますと、調べれば調べるほど、気持ちが不安定に…。

なぜなら血痰の可能性として、「肺がん」というものが様々な記事で紹介されていたからです。

他にも結核とか気管支拡張症とか、原因として考えられるものはいくつもあるようですが、肺がんの可能性が高いという記事も多く目にしてしまい、気持ちはいっきにネガティブな方向へと突き進みます。

僕は現在タバコは吸っていませんが、過去20年ほどの喫煙歴があります。

また、母方の祖父母はどちらも肺がんで亡くなっています。

それらを踏まえて、僕にとって「肺がん」とはおそろしいイメージの病だったのですが、それがいきなり目の前に突きつけられた形です。

入浴中に出た血痰により、何気ない日常が突然破壊された瞬間です。

 

受診を決意

この時点では、僕の血痰がどのような原因によるものなのか、当然のことながら全くわかりません。まだ病院にすら行っていませんからね。

しかしインターネットの溢れる情報で、必要なもの、不必要なもの、その真偽に関わらず、様々な病名や状態を頭に仕入れることができてしまいます。

そして、どうしても悪い方へ悪い方へ考えてしまうんです。

やはり一番怖ろしいのが「肺がん」です。

肺がんというのは癌の中で一番死亡件数が多く、それは発見されたときには既に手遅れであることが多い、という理由があるからのようです。

つまり、症状が出にくい癌であるが故に、何か症状が出たときには、既にかなり進行している可能性が高いと。

そんな情報を目にした僕は、必然的に自分の「死」を意識してしまいます。血痰という症状が出たということは、もう手遅れの肺がんなのではないかと。

あ、俺死ぬんだ。

そう思いました。

冷静に考えれば、まだ何もわかっていない状態なんですけどね。思考がそっちに行っちゃうんです。

ですがそこで僕よりも冷静な嫁が、まず病院に行こうと。行きなさいと。

医者でも何でもない僕が、一人でネットだけ見て騒いでもどうにもならないですからね。

当然ながら僕は嫁の言葉に従い、まずは病院を受診することにしました。

忘れもしません。2019年10月20日。

僕の病気との闘いが始まった日です。