肺がんじゃなかったブログ

40代で肺に腫瘍が見つかった男性の日記です。

手術前日。向かいのおじいちゃんに元気をもらう。

2020年2月19日

向かいの部屋のおじいちゃん

入院2日目です。いよいよ手術を翌日に控えた、手術前日になります。

病院は夜も早いですけど、朝も早いです。6時に電気が付き、看護師さんが検温などで回ってきます。

前夜、僕が病院で過ごす初めての夜は、何度か目は覚めてしまったものの、寝不足感は特にないので、熟睡できたのではないかと思います。前日の記事で「手術前は繊細になっている」と書きましたけれど、睡眠に関しては鈍感力を発揮できたようです。

朝イチで今日一日の予定を書いた紙を、看護師さんが部屋のテーブルに貼り付けて行ってくれます。そういうシステムになってるみたいです。この日は午前中にリハビリ科の先生が来るのみで、あとは特に予定はなさそうです。本も何冊か持参したのですが、昨日は全く読む暇もなかったので、今日は少しは読めそう。

朝食を終え歯磨きも終え、「ナースって白衣じゃないんだな~」(この病院の看護師さんたちは、白衣ではなかったので)と部屋のカーテンを開けたままボケ~っと考えたりしておりましたら、向いのおじいちゃんにいきなり話しかけられました。「調子はどうですか?」と。

で、僕が明日手術だということを伝えますと、おじいちゃんは術後2日目とのこと。昨日が手術の翌日だったということになりますけれど、おじいちゃん、昨日からめっちゃ歩き回ってたんですよね。

手術の次の日には、こんなに元気に歩けるんだな~と、おじいちゃんから物凄い元気を頂きました。

一晩経ってなんとなくわかったのですが、どうやらこの病室にいるのは、肺がんの方がほとんどで、あと一人は肺気胸のようです。呼吸器外科ですので、何かしら肺などの手術をするのは、皆同じみたいですね。

8人部屋なのですが、手術後はICUに滞在し、経過を見てこの部屋に戻ってくる仕組みになっているようで、今も2人の方が荷物のみ残しICUにいると思われ、実質部屋には6人しかいない状態です。

8人部屋って多いな~と思ったのですが、そのような形なので、実際は6人部屋みたいなもんです。

皆さん、僕と同じく肺の手術をされる方、された方たちなので、同志みたいなものですね。

そんな同じ境遇の患者さんである、向いのおじいちゃんに話し掛けられたことは、とってもありがたかったですし、嬉しかったです。

おじいちゃん、ありがとう。

 

若い男性は痛みに弱い

お昼前にリハビリ科の先生がやって来ました。

咳の強さを測定したり、歩行前、歩行後の酸素量や、同じく階段を上り下りでの酸素量の測定など、術前の状態をチェックする目的のようです。

この先生、とっても優しくていい感じの先生なのですが、肺の手術に際して「若い男性が一番痛い」んだと、怖い言葉を残していきました…笑。

肺の手術は、術後に痛みがけっこうあるというのは、先生の説明でも聞いていますし、他の方のブログなどでも読んで把握はしていますので、覚悟はできています。しかし改めて「一番痛い」と言われると、恐ろしくはなってきますが…。

きっと術後は一日一日良くなっていくだけなので、絶対に乗り切れるはずです。

そして僕は43歳ですので、世間的には決して「若い」と言えるのかどうかわかりませんが、病院の中でいえば、やはり間違いなく「若い」部類に入るんだと思います。僕と同じ病室も、高齢の方がほとんどで、明らかに僕が一番若いです。

呼吸器外科に関しては、同年代や年下の男性もここまで見掛けていません。

それもまた寂しいことかもしれませんけれど、若い分、きっと回復も早いはずです。

リハビリの先生が、「術後にお会いできるのを楽しみにしています」と言っていましたので、僕も彼と再開できるのを楽しみにしたいと思います。

 

両親が来る

僕が入院している病院の面会時間は、平日は午後1時からになります。

そしてこの日、僕の両親がやって来ました。

両親は僕の実家である長野県の茅野市というところに住んでおります。そこからわざわざ車で出掛けてきてくれました。

今夜は僕の家に泊まり、明日の手術が無事に終わったことを見届けて、帰るとのことです。

午後4時くらいでしょうか。

嫁と父と母、三人が姿を見せました。

僕はもう43歳ですし、親元を離れて20年以上経っていますし、手術に際して親に来てもらうというのも、何やらいい歳こいて親に甘えてしまっているような気もして、気恥ずかしいといいますか、そういう気持ちもあります。

そうは言っても、親にとってはいくつになっても僕は大切な子供なわけで、僕にとっても大切な親です。

来てくれるというのは、素直にありがたいことだとも思います。やっぱり心強いです。

そして、感傷的になっているせいなのか、両親の顔を見ると、ちょっと泣きそうになってしまいました。二人とも70過ぎですし、歳とったな~と思うと、そんな両親に心配掛けてしまい、ごめんと。

両親を安心させるためにも、しっかり手術を受け、その後の元気になった姿を見せたいです。

 

明日に備えて

17時半より、僕の病院で初めてのシャワータイムがありましたので、その前に嫁と両親は帰って行きました。

ちなみにこの後、嫁と両親は三人で寿司を食べに行ったようで、美味そうな写真が送られてきました。嫌がらせです。笑

病院のシャワーは予約制で、18時までしか使えません。前日はもういっぱいで使えませんでした。手術を翌日に控えた人は、優先的に夕方使用できるとのことで、この日の僕の予約は17時半から。明日からしばらくは体を洗えませんので、しっかりと洗浄します。

シャワーを出て夕食までの時間、しばし読書をしていますと、先生方が何人かでやって来まして、明日手術する右胸にマジックで印を付けられました。左右を間違えないための印と思われます。

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そして夕食後には、看護師さんから睡眠薬と下剤とOS-1を渡されます。

0時から明日の朝までに、OS-1を一本飲むようにと。それ以外の飲食は一切NGです。下剤もちゃんとうんちを出すためのものです。

僕は今まで一度も睡眠薬というものを飲んだことがなかったので、「起きられなくなることはないか?」など看護師さんに確認し、恐る恐る寝る直前に服用することにしました。

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今夜一晩寝たら、いよいよ明日は手術です。

怖いです。怖くてたまらないです。でもやるしかないです。

そんなとき、僕のスマホには友人たちからの温かいメッセージが続々ともたらされ…。僕は堪えきれず、少しだけ涙してしまいました。

さらには僕が他で書いている別のブログのコメント欄だったり、Twitterでも、皆さん見ず知らずの僕のために、たくさんの温かい言葉をくださいました。

今夜はしっかり寝て、無事に明日の手術を乗り越え、僕のことを気にかけてくれた全ての人に、元気な顔を見せなきゃですね。

おやすみなさい。